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記念日でした 2013.09.04 00:00
一日遅れました。




**********

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参加出来ない私の為にと少し早めに茶会を切り上げ休憩がてら手作り菓子を持って来てくれるウミが
今日は随分と早くにこの執務室へ顔を出した事にまず少しばかり驚いた。



異世界から三人の娘たちが来る日はいつも、親しい者達でお茶会を催すのが常となっている。
だが、私は最初の数回こそ出席していたものの最近はめっきり参加する事はなくなっていた。

彼女がこちらの世界に到着してから、まだ数分。
いつもなら準備も含め一・二時間は皆との会話を楽しんでからここへ訪ねて来ると言うのに。


茶会はどうしたのかと尋ねた私の言葉にも、「後で行くから」と返答になっていない言葉だけ返し
ひとつ、またひとつと持って来た菓子を並べ始めた。


余り詳しい事はわからないが、随分と手が込んでいる様に見える小さな菓子が次々にテーブルに並べられていく。
いくら菓子作りが得意だと言ってもこれを作るにはかなりの時間がかかっただろうと思う。
最近は、ガッコウの勉強が忙しいだとかカダイやブカツが大変だとかで、こちらに来る頻度も減っていると言うのに…


色も形も材料(これは推測になるが)も全て異なる菓子。
それを綺麗に並べ終わるとさっさと部屋の奥にある小さなキッチンへ消えて行った。


慣れた手つきでお茶を入れる彼女に投げかけた疑問へも、彼女は曖昧に笑うばかりで
美味しそうにお茶を飲みながら私にただ菓子を勧めるのだった。


『ウミ、皆との茶会はどうした?
 それに今日の菓子はいつもよりも多い気がするのだが、どうしたのだ?』

いくらひとつが小さいとは言え、並べられた菓子は10を超えていた。
菓子を作るのが趣味だと言う割に甘いものは好まないとほとんど自分は口にしない彼女は、
変わらず口元に笑みを浮かべて静かにお茶を啜るばかり。

『何となく、色々作りたくなっちゃったの。クレフが好きなの、食べて?
 あとは皆に持って行くから』


少しの引っ掛かりは感じたものの、改めて並べられた菓子を眺める。
宝石の様にキラキラとした果物が飾られていて、食べてしまうのが惜しい程だった。

だが、お茶を飲みながらも私が食べるのをちらちらと伺っている彼女が可愛らしくて
一番手前にある菓子に手を伸ばした。

果物の瑞々しさと甘さを控えたクリームが口の中で混ざり合う。
すぐに飲みこんでしまうのが勿体なくて、殊更にゆっくりと咀嚼した。

その間彼女は無意識なのか、お茶を飲む手も止めじっと私を見つめていた。

『なんだ、私は毒見か?』
からかうように口にすれば、手にしていたカップをがちゃんとテーブルに置く。

『ちっ違うわよ!ただ私はせっかくの記念日だからクレフに一番に食べて欲しくて…』
とそこまで一気に口にした彼女はあからさまにしまった…という表情をして、
顔を紅く染めたままそっぽを向いた。


『記念日?今日は何の記念日だ?』

『ク、クレフには関係ないでしょう…』
その問いに間髪入れずに答えるくせにらしくない程、声はか細い。
普段の彼女を知っている者ならばすぐに何かあると解るだろう。


何も言わずにただ彼女を見つめているだけの私に、一度ちらと顔を向けまた目を逸らす。
しかし尚もそのまま口を開かない私に痺れを切らし、諦めの溜め息を一つ漏らす。


『…四年前の今日ね、始めてケーキを焼いてこっちに持って来たのよ』


益々俯いてその声はか細くなる。
向かい合って座っているのに、よく通るはずの彼女の声は聞き取るのがやっとと言う程に小さい。

『それを、クレフが美味しいって食べてくれたの…』

ふむ。それは随分と懐かしい話だ。
始めて食べたウミのケーキは、セフィーロのどんな菓子より美味だった。
(まだその頃は参加していた)茶会でもあっという間になくなってしまったのを今でもよく覚えている。

その記憶を思い起こしながら、彼女に目線だけでその続きを求めるも
まだ彼女は俯いたままで、私の意思は伝わっている様なのにその続きはなかなか耳には届かなかった。

口を開きかけたかと思っても、また閉じる。
そんな動作を何度か繰り返している様を私は何も言わずに待っていた。
ただし、目線は逸らさずに。


そしてとうとう意を決したのか、目の前のカップに手を伸ばし残っていたお茶を一気に飲み干した。
『だから、その……
 それだけ!もう、ただそれだけよ!何よ悪い?』


それだけ…

始めてケーキを焼いてきて。
私が美味しいと言って食べた。
それだけで……

くっ。
あまりに可愛らしくて思わずもれた笑みに、目の前の彼女はますます顔を紅くしてまた顔を逸らした。



ウミと一緒にいるだけで、何でもない日が記念日になる。

そんな記念日だらけの毎日を過ごすのも悪くないと伝えたのなら
お前はどう、答えてくれるのだろうか?





*****


と、いう訳で実は昨日でサイト4周年でしたw
本当はクレフさんの日に開設したかったのに間に合わず(昔からこんなのばっかり…w
でもたしかぎゃおさんでレイア再配信開始日だからいっか~なんて当時のブログに書いてました。

しかし、クレフさんの日と一日違い故に微妙に毎年ろくに何も出来ないと言うね。
突如思いついた話を突貫で書いてたけど結局間に合わなかったんで今日になりましたが
しかも書いてたらどんどんシリアスっぽくなったんで一度ぽい捨てしてこんな事に!
それにしても海ちゃんは本当に可愛いなあ…!!!

こんなサイトですが、もう4年。まだ4年です。
今後もゆるゆるぐだぐだですが、よろしくお願いいたします。m(_ _)m
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